俺・志倉ヒロには23才になった今でも忘れられないヒトがいる。何故か解らないが、凄く大好きだった…いや、大好きなヒトだ。
彼女とは高校に入ってすぐに付き合いだした。けれど親の転勤で、俺は一年生の冬に突然転校する事になり別れも告げたような、告げなかったような…微妙な別れ方だった。
河崎秋緋。…アキ。
君は今、何してるの?
…逢いたい。
逢いたいよ…。
…でも、こんな事言っちゃダメだよな。俺にも素敵な彼女がいるのに。
そう、そうだよ。今俺が一番愛してるのは七里美那だ。
俺はココ数年苦悩していた。近い内にこの苦悩から開放されるとは知る由もなく…