奈央と出会えたから。<319>

麻呂  2009-02-11投稿
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『“騎馬戦”出る人、次だからね〜!!』



体育祭実行委員のヒト達の声が響き渡る。



『奈央。じゃあ、あたし行ってくるね。』



『うん。ユカ、頑張ってね!!』





パンッパンッパパパンッ―ー‐



爆竹の音と、煙幕が焚かれ、



大河ドラマのサントラが流れる中、



参加する全ての隊が揃って入場した。



“今年から騎手役は女だもんな?!”



“おぉ!!俺も騎馬役やりてぇ〜。”



“3年の美雨先輩セクシー☆やらせて〜♪”



“ちょっとやめてよッ!!バカ男子!!”



“そーよ。バカじゃないの?!”



毎年恒例のコトらしいケド、“騎馬戦”は、やたらと男子に人気があった。



そもそも去年までは、男子のみ参加だった、この種目。



ここ何年か、ケガ人が続出したというコトで、



今年からは男女混合で、騎手は女子のみというルールに変わったんだ。



男子としては、盛り上がっていきたい所なのだろうケド。



1チームから9組出場するので、6チームで合計54組の参加になる。



3回戦勝負で、時間内に、どれだけ要領よく騎手のハチマキを奪えるかで、勝敗が大きく左右するんだ。



“おしっっ!!秋田谷が黄色のハチマキ取ったぞ!!”



“やるじゃん秋田谷!!”



“行けぇ――!!

秋田谷ぁ――!!”


クラスメイト達の声援が飛び交う。



ユカ頑張れっっ!!


心の中で、そう叫んでるあたしは、



実は、人の心配なんてしてる余裕なんてなかった。



刻々と近付いてくるリレーの時間。



ドキドキドキドキ――



あぁ、もう直ぐ“騎馬戦”も終わる。



あたしの出場する“スウェーデンリレー”まであと少し。



“騎馬戦”のBGMに流れている和太鼓の音と同じ位、



あたしの心臓の音も激しく鳴り響いていた。



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