「っ!」
ユミナは顔を歪めながら、先ほどの攻撃で痺れが走った方の手を振って、態勢を立て直した。
どうやら剣術ではこちらに分がありそうだな…―\r
ロザラムはそう思いながら、剣を構えてジリジリと間合いを詰めていった。
「ねえ、ロザラム。貴方、自分の復讐はもうやり遂げたのよね?」
「…そうだ」
「そう…でもね、私はまだやり遂げてないのよ」
ユミナは鋭い眼差しでロザラムを睨みつけると、疾風のような速さで彼の右側を通り過ぎていった。
「なにっ!?」
ロザラムは驚いて、後ろを振り返った。
剣と剣のぶつかる鈍い音が闇夜に響き渡り、篝火の炎が揺れ動いた。
「っ…」
「ちっ…」
ユミナが上段から振り下ろした剣を、ロイが下から受け止めていた。
ユミナとロイはお互いの息遣いが聞こえるくらいまで、顔を近づけた。
「死になさい。リアを殺した貴方は死ぬべきなのよ…」
「…く…」
ロイはその言葉に顔を歪め、一瞬、剣に込めた力を緩めそうになった。
「父ちゃんと母ちゃんの受けた苦しみ、思い知れ!」ロイが剣を握った手から力を抜いた瞬間、ルイスはそう叫んでユミナに向かって剣を突き入れた。
「ちっ!」
ユミナは邪魔だとばかりに、ルイスの剣を払った。