「そうね。貴方が信頼出来るなら、私はここで休んでもいいのだけれど」
「信頼できませんか?昔はあんなに一緒に居たのに」聞こえる声のトーンが不意に沈んだ。相変わらず姿は見えないけれど、リズは何故か心に石を落とされたような波紋が起こった。
この気持ちは何なんだ。そう自問しても答えを得るには時間がかかるだろう。
「リズは聴いたことはありませんか」
理解できない気持ちに気を取られていて声の主の質問を理解するのに数秒かかった。何の?と聞き返す。声の主は笑ったようだった。「忘れられた島の歌。貴方が捜す、ある人の歌」