大会はすでに団体戦決勝まで来ていた。
決勝戦に残ったのは県有数の柔道名門の秋沢学園毎年インターハイ予選県ベスト8以上常連の高校だ。
去年の新人大会では県ベスト2だった。
対するは、
インターハイ県予選三連覇にして去年、インターハイ本戦全国ベスト4にまで昇った。県の代表校、翔星学院。
もちろん秋沢は新人大会、翔星に敗れて二位だった。
いいカードだな。
修二はワクワクしながら試合開始を待った。
「お互い、礼!!」
「お願いしゃあす!!」
審判と選手の声が飛び交う。
「先鋒残って。」
先鋒は『せんぽう』と読んで、団体戦ではじめに出る選手。
団体戦は先鋒、次鋒、中堅、副将、大将の順に続いて試合をする。
私学大会は総当たりといって、先鋒同士、次鋒同士の順に試合をして勝ち数の多いチームの勝ちになる制度をとっている。
「はじめぇ!!」
審判の声が場内に響く。
決勝戦が始まった。