俺とキミの時間。

ynika  2006-07-05投稿
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「碧くん!」

ゆりの声で現実に引き戻された。

「何考えてたの?ちゃんと集中してよー」

…また問題集と向き合ってる。
どーしてそこまで勉強をするのかが、理解出来ない。
“成績を上げたいから”と言われれば、それまでなのだが。


「ねぇ、碧くん。この問題どーやるか解る?」

「んー?これはー…Xをー…どーすんだ?」

「碧くーん。やばいんじゃない?これ、1年の問題だよ?」

「んーと…」

やばい。とてつもなくやばい。
…1年の問題ってこんな難しかったっけ?
これだから勉強は嫌なんだよねー。

「よし!」

「…どーした?」

「碧くんが次のテストで、50番以内に入ったら、ゆりがなんでも言う事聞いてあげる!」

「……は?」

正直、ビックリした。
“なんでも”
なんて言われると
頑張る気にもなるが、
今の俺の頭で50番は絶対無理な事である。

「…それでも勉強しない?」

「………………する」


やっぱり彼女の上目遣いには勝てない。
………勉強するか。



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