『何処か美味しいお店知りませんか』
貴方にわざとそんな質問をしてみる
飲食店の雑誌を広げてみたりネットを開いてみたり
貴方は懸命に探してくれるし質問をしなくても良く『此処美味しかったよ』とネットを見ながら教えてくれる
でもその度に思う
『そうじゃなくて』
やっぱり約束を忘れている
貴方が一緒に行こうと言っていたお店の話を思い出して欲しくて
『そう言えば』って言って欲しくて
精一杯の努力をしてみるのに報われない
気付いてはくれない
何だっていい
『此処美味しかったよ』って言うなら
『連れて行こうか』って言って欲しい
せっかく貴方が教えてくれたからと同僚と行ってみると悲しくなる時がある
お洒落なお店
料理は本当に美味しい
ただ周りは女性やカップルばかり
その時に分かってしまう事
誰と来たのだろう
どんな女性と貴方は此処で過ごしたのだろう
そんな疑惑が頭を埋め尽くす
以前聞いた貴方の噂を思い出す
あれは噂だけではなく本当だったんだ
もう嫌
最近こうして思い悩む事ばかり
明らかに私は貴方への気持ちが加速している
それと同時に沸いて出る嫉妬
また一つ気付いてしまった
貴方への独占欲に