電車がきた
車掌のアナウンスが構内に響きわたる
『1番線より犬山行き急行が参ります』
俺は前に並ぶ親父どもと歩幅を合わせた
車内に乗ると空き座席を見つける事に懸念する
しかしどこも満席だ
車内は嫌な湿気の匂いで溢れている
背中は汗で湿っている
気持ちが悪い
白いカッターシャツに赤と緑のストライプのネクタイは緩くしめてある
人差し指に銀の指輪
茶色いベルトに腰パン
耳にはリングのピアスを2つ
昔彼女だった人に言われた事がある
『うち、そのピアスの感じ好きだな〜』
2人の話題だった