おれは彼女の支えになれればいいとできるかぎりそばにいた。
いつしかそれがおれの支えにかわっていた。
そして、そんな彼女に手をあげる男に対し殺意さえ感じ、この子のためなら自分の人生を棒に振ってもかまわないと思った。そんなおれに
「私のためにそんなことはしないで。私は大丈夫。あなたが支えてくれるから。もしそんなことをしてしまったら私は一生それを背負って生きて行くんだよ。自分の大好きな人が自分のせいで人生を棒にふってしまうなんて耐えられないよ」
おれはどうすることもできない自分が悔しかった。
そんなおれたちの気持ちは徐々に近づき一線をこえてしまう。
彼女は子宮の病気で毎日数種類の薬を飲み、激しい運動も医者からダメだと言われ、ましてや性行為なんてもってのほかだった。
それでも彼女は、
「あなたとなら怖くないよ。」
と、その一言でおれの不安な気持ちはふきとび、おれはふるえる小さな彼女の体をそっと抱きしめた。
何度もあきらめかけ、自分の気持ちを押し殺しても支えたいと思っていたのに、もう後戻りなんてできないくらい、彼女が好きになっていった。
つづく