奈美は近所のマンションの屋上に躍り出た。
飛び降りて死ねば、この呪いのような、苦しみから逃げられるう!
はやくはやくはやくッ!
はああああああ
奈美がフェンスに手をかけた瞬間!
奈美は無意識に口走った。
「精神防御発動!回路断!」
そして、意識的に自らを気絶させた。
しばらくして奈美は、気を取り戻した。
目を開けた奈美は、先ほどの狂った表情とうってかわり、 恐ろしく澄みきった顔で、冷静に呟いた。
「これが人為的に人を自殺へ追い込む外道のシステム・・・
インプット完了、破壊開始!」
奈美は何かに引かれるように歩き出した。
「今状況から、我、神経への攻撃的電気信号を確認。只今より、これを破壊!」
翌朝、奈美は自宅寝床で目が醒めた。
「・・・!あたし!?」 奈美は昨夜の事が、はっきり記憶にあった。 しかし、理解ができない。「何?夢?じゃない!わからない。」
奈美はただ、ぼんやりしていた。
朝一番のニュースが、男性の深夜のマンション転落死を報じていた。
現場は昨夜、奈美が飛び降りようとしたマンションだった。
男性の身許は不詳として、次のニュースに進んだ。