秀は･･･私に『ごめんね』とは言わなかった。
その代わり･･･『ありがとう』って言ってくれた･･･。
『こんなに想ってくれた人は初めてかも知れないし、もう現れないかも知れない･･･だからすごく嬉しいよ。ありがとう･･･』
そのことばを聴いた瞬間･･･涙がこぼれそうになった･･･
秀の優しい｢ありがとう｣の一言が･･･私の心をそっと包んでくれたから･･･。
秀が言ったその言葉で･･･
今日までの涙が、全て報われた気がした･･･。
【ごめんね】だけは･･･聴くのがずっと怖かったから･･･【ありがとう】の言葉をくれて本当に嬉しかった･･･。
人はね･･･[ごめん]よりも[ありがとう]って言われた方が何百倍も嬉しいんだよ！
やっぱり秀は･･･私の想った通りの人。
すごく大人で･･･優しい心の持ち主。思いやりのあるの人だよ･･･。
そして･･･秀が言った･･･
『これからも、電話したりメールしたりしてよ･･･全然迷惑じゃないから･･･』
『本当に･･･？いいの･･･？』
『いいよ･･･。それに、時々会って話したりしよう。だから･･･これっきり縁を切るなんて言わないでね･･･』
秀から･･･そんなこと言ってもらえるなんて･･･それだけで幸せだと想える。
でもそれって･･･？
私は秀に聴いた･･･。
『ねぇ秀･･･私たち･･･これからは･･･友達以上恋人未満の関係ってこと･･･？』
『･･･うん。そうだよ･･･』
秀は･･･そう言ったけど･･･
私は･･･秀のことを友達として見る自信がないのに･･･
それでも繋がっていたいからと、このまま友達の道を選んで･･･本当にそれで良いのかな･･･？
それに･･･【友達以上恋人未満】の関係なんて･･･本当に存在するのかな･･･？
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