「忘れたの?病院が焼けたのも、街がこんなのになったのも、全部ノイザーのせいなのよ!?アンタが一番わかってるでしょ?そいつらは危険なのよ!!ただの人間が暴れるのとは訳が違う!!命がたくさん消えてくのよ!!!」
もつれそうになる口調でひたすら訴える。
誰のせいというわけでもないのに、お互い自分達の大事なものを傷つけられるのを恐れているせいなのか。それぞれ皆、自分の信じる正義を貫くことで皮肉にも哀しみは生じてしまう。
「ウィル…お願い。アンタを逮捕なんてしないから、アンタの力でそいつらを捕まえて。」
まわりが騒然となる。
「あの女…っ!何言ってやがる!!」
「やっぱ俺等を騙して…!」
「ボス、いいんですか?」ジャズはメレディスをぼーっと見ている。
「ウィルくん、君はどうするつもりなの?」
ウィルはあまり間をおかずに答えた。
「俺は警察を辞めたんだ。ましてやノイザーの俺があんたらを捕まえる理由もない。」
「ウィル……!!」
悲しむ声とともに拳銃が落ちる。彼女の心は裏切られたような黒い感情がうずめいていた。