「眠れないの？」
背後に現れたのはジャズだ。
「ジャズ…。」
「ウィル君が一番疲れてるはずでしょ。護衛もちゃんと付けてるから、安心して寝なよ。」
「いや、…最近悪夢をよく見るんだ。あのロザントン事件の夢…。情けないけど怖くてさ。夢って、逃げられないから。」
ジャズは椅子がそばにあるにもかかわらず、むき出しの地面に座り込んだ。
「僕も見るよ。怖いよね。まだあの時は子供だったし…。でも目を覚ますとね、ちょっとホッとするんだ。また誰かが死んだんじゃないかって思ってたから。」「俺は余計怖くなるよ。あの時を思い出してしまうから。夢から覚めても、それは夢じゃないんだって、ただまた実感するだけだ。」ウィルはすやすやと眠るマリアたちを見ながら言った。
「なぁ、なんでだ？なんで俺等がこんな目に合わなきゃならない？いったい誰が、なんの目的で？」
「僕たちもそれを一生懸命探してきた。違法な行為も時には顧みずに、探索を続けた。そしてある組織の存在が浮かび上がったんだ。」
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