汚染 21

ふく  2009-02-14投稿
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貴方は甘い物が嫌い
それを知っている
いつもガムを噛んでいる
それも決まったガム
何かバレンタインらしくはないけどそのガムを二本買った

自分でも笑えた
こんな物しか思い付かなかった事に
だけど貴方が一番貰って困らない物を考えた時
私にはこんな物しか思い付かなかった
消耗品以外を選んでもきっと困らせるだろうしお返しは期待していない分当たり障りのない一番のプレゼントだと思ったから

その日は貴方は出張で帰って来る事はない
良い機会だった
直接渡す勇気はない
また気持ちが萎えてあげず終いになるに決まっている
渡す時の台詞だって考えないといけない
ただ『あげます』と素っ気なく渡せばいいだろうけど気持ちがある分いらない緊張が埋め尽くすだけ

机に入れておく事にした
ただ気付かなければ意味はない
どうしようか
結局は口で伝えるしかないのか
それだったら手渡しをした方がいい
良い方法を考えて考えて出た結論は社内メール
月曜の朝にはメールを開いて私からのメールを見るはず
何か怪しい感じだけど私にはそれしかなかった

机に忍ばせる事は簡単だった
周りに気付かれない様そっと入れた
第一段階は何とかクリアした
後はメールだった
定時の17時を回り新規メールを開いた
貴方の名前を呼び出した時
たまらなくどきどきした
どうしたって勇気はいるものなんだと気付いた

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