貴方にこうして社内メールをするのはこれで二度目
クリスマスケーキを貰った時にお礼のメールをして依頼
まず一言
『机にガム入れてます』
敢えてバレンタインだからという言葉は伏せておいた
そして
『甘い物は食べないでしょうから』と続けた
それは『貴方が嫌いな物を知ってます』という私なりの意志表示だった
ガムを選んだ事にも意味はある
思い付く物がそれだけだったにしても日常の貴方を知っているからこそそれを選んだのだから
そこで既に打つ手が留まる
何を打てばいいのか考えず開いてしまったメール
悩み過ぎて5分は経過した
何で何気ない一言が思い付かないのだろう
さらっと出て来てくれればいいのに貴方への好きな気持ちが邪魔をする
いっそ『好きです』と入れたくなる
そんな時にふと思い付いた
『ケーキを貰ったお礼です』
これで十分だろう
何で今更と思われるかもしれないけどこれが最善だと思ったから
流石に気付くだろう
理由が何にしてもどうして今なのか
たった三行のメールを何度も読み返した
本当にこれでいいのか
後は送信を押すだけなのにたまらなく緊張が走った
別に告白している訳でもないのに
たいした内容ではないのに
やっぱり好きなんだなって実感した