古賀は2曲目の『去りゆく恋人』を聞いてある出来事を思いだしていた。 それは20年前に古賀のアパートに恵子が初めて尋ねて来たときのことだった。 恵子からの電話で「実は私いま千川に来てるんだ」と言われ古賀は千川の何処と尋ねた。 「ここからだとお肉屋さんが見えるけど」 「太田屋って店じゃない?」 「うん」 近くだ。ちょっと待ってて、すぐに行くから」 古賀は受話器を置き恵子の元へと急いだ。 確かに肉の太田屋の近くの公衆電話には白いTシャツ姿の恵子がいた。
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