『ちょっと奈央、大丈夫???』
“騎馬戦”を終えて戻って来たユカが、緊張しているあたしを見て心配してくれた。
『あっ、ユカ。おかえりッ。すごいね!!活躍してたじゃん!!
あたしなら大丈夫だよ。』
精いっぱいの笑顔で答える。
『本当に大丈夫?!顔色悪いよ、奈央?!』
『あはっ。本当に大丈夫だよ。ありがと、心配してくれて。』
その時、放送がかかり、すぐに結果が伝えられた。
『“騎馬戦”の結果は1位赤組、2位白組、3位ピンク――』
思いもよらず、あたし達赤組が1位だった。
『きゃあ!!ユカッ!!赤組が1位だって。』
『マジで?!やったぁ!!』
『ここまで順調だから、もしかしたら総合1位イケるんじゃない?!
あたしのリレー次第では。
はぁ‥責任重大。あたしじゃ無理だよォ‥‥。』
『あはは。奈央ったら。まさか、あんたに期待してたら“スウェーデンリレー”の第3走者なんてやらせないわよ。
てか、体育祭で、“総合1位目指して、みんなで頑張りましょう”だなんて、あたし達の学校じゃ、ありえねぇ〜って感じじゃん?!』
『うん。まぁ、そうだケド‥‥。』
ユカの言うのは、もっともだケド、
なんだかんだ言っても、
体育祭なんて面倒くさいなんて言ってるヒト達に限って、いざ始まってしまうと、結構盛り上がってるし。
『だいたい、出場メンバーをくじ引きで決める位だもん。
結局、みんな体育祭に対しては、それだけの意識しか持ってないってコトなんじゃないの?!』
『まぁね‥。でもやっぱ責任感じちゃうよ、あたし。』
『頑張れ!!奈央の根性あればイケるって!!300m走るのがキツイのなんて、みんな同じなんだし。』
『うん。まぁ‥とにかく頑張るね。
ありがと、ユカ。』
ユカが励ましてくれたおかげで、少しは気が楽になった気がした。