奈央と出会えたから。<320>

麻呂  2009-02-15投稿
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『ちょっと奈央、大丈夫???』



“騎馬戦”を終えて戻って来たユカが、緊張しているあたしを見て心配してくれた。



『あっ、ユカ。おかえりッ。すごいね!!活躍してたじゃん!!

あたしなら大丈夫だよ。』



精いっぱいの笑顔で答える。



『本当に大丈夫?!顔色悪いよ、奈央?!』



『あはっ。本当に大丈夫だよ。ありがと、心配してくれて。』



その時、放送がかかり、すぐに結果が伝えられた。



『“騎馬戦”の結果は1位赤組、2位白組、3位ピンク――』



思いもよらず、あたし達赤組が1位だった。



『きゃあ!!ユカッ!!赤組が1位だって。』



『マジで?!やったぁ!!』



『ここまで順調だから、もしかしたら総合1位イケるんじゃない?!

あたしのリレー次第では。

はぁ‥責任重大。あたしじゃ無理だよォ‥‥。』



『あはは。奈央ったら。まさか、あんたに期待してたら“スウェーデンリレー”の第3走者なんてやらせないわよ。

てか、体育祭で、“総合1位目指して、みんなで頑張りましょう”だなんて、あたし達の学校じゃ、ありえねぇ〜って感じじゃん?!』



『うん。まぁ、そうだケド‥‥。』



ユカの言うのは、もっともだケド、



なんだかんだ言っても、



体育祭なんて面倒くさいなんて言ってるヒト達に限って、いざ始まってしまうと、結構盛り上がってるし。



『だいたい、出場メンバーをくじ引きで決める位だもん。

結局、みんな体育祭に対しては、それだけの意識しか持ってないってコトなんじゃないの?!』



『まぁね‥。でもやっぱ責任感じちゃうよ、あたし。』



『頑張れ!!奈央の根性あればイケるって!!300m走るのがキツイのなんて、みんな同じなんだし。』



『うん。まぁ‥とにかく頑張るね。

ありがと、ユカ。』


ユカが励ましてくれたおかげで、少しは気が楽になった気がした。

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