聖人。
結局応援に来てくれなかった。
あたしのコト、心配じゃないんだね。
なんか、
少しだけ、
寂しい気分。
『ユカ。じゃあ行って来るね。』
『奈央、頑張れ♪』
ドキドキドキドキ――
聖人。
祈ってて。
どうか、
300m走り切れますように。
第一走者がスタート位置についた。
『位置について、
用意――』
パンッッ――
ピストルの音が、
辺りに大きく響き渡った――