――シンデレラ
夢のような一夜を過ごして、変わったことといえば友情の証である赤い石の色が無くなってしまい、透明になったゃいました。
わたしはまだ、シンデレラのままで、またいつもの召使の仕事をしています。
お母様にもカローナにも、昨日のことがばれていない。
たぶん一生ばれないと思う。
わたしがシンデレラでいる限り...。
『お母様!!お母様!!王子様から手紙がきたわ。昨日舞踏会へ行った娘の中に運命の人がいて、その人を探しているんですって。』
カローナが大声で騒いでいた。
運命の人がいたんだ。
わたしなんかとは、もう会うことはないだろう。
夢の一夜をありがとうごさいました。
フィンは、どこに行ったんだろう。わたしの願いは、やっぱり無理があったから叶えられなかったんだ。
フィンは、優しいからはっきり言えなかったんだな。だから、一夜だけミリーにしてくれたんだ。
『ミリー!!ミリー!!』
ピカッ
また、眩しい光が部屋を照らすとフィンが目の前に現れた。
『奇跡を信じて!!』
昨日のように、フィンがはっきと見えなかった。まるで、透明人間のように。
『フィン。どうして、透明なの??』
『友情の証と僕は、繋がっているから。もうすぐ僕の役目は、終わる。』
『えっ?!どういうことなの??』
『ミリー、もうじき王子がこの屋敷にやってくる。王子に会うんだ。そうすれば、きみはミリーになれる。いいね??』
シュー____
フィンの姿が消えていく。
『フィン!!フィン!!』
『もうお別れだ。友情は、永遠に無くなることはない。ただ、人間と魔法使いが一緒にいるとこの世の均衡が保たれなくなるから、これ以上は一緒にいられないんだ。幸せになってね。』
フィンが消えてしまった。わたしは悲しくて泣きたくなったけど、フィンがわたしに託した最後の言葉を信じて、王子様に会うことを決意した。
次回→shape 26