――シンデレラ
『お待ち下さい。』
わたしが、叫ぶとその場にいた全ての人がわたしを見た。
『君は、あの舞踏会に行ったのか??』
『はい、行きました。』
『う、嘘よ!!その子は、舞踏会に行っていません。』
『わたしが、舞踏会に行ったという証拠があります。そのガラスの靴のもう一方を持っています。これが、証拠の靴です。』
わたしが、ミリーであったゆいつの証...。
『では、履いて下さい。この靴のサイズはぴったりですか??』
『はい。』
これが、フィンの言っていた奇跡なのかしら...
『では、お城に行きましょう。』
『はい。』
これで、やっとミリーになれる。
と思った瞬間...
『...さないわ。許さない。あなたは、シンデレラよ。一生召使なのよ。わたしより上の立場になるなんて許さないわ。』
カローナがそう言うと、人が変わったように暴れだした。
『その靴さえ、なければいいのよ。そんな靴、壊してやる。』
カローナは、わたしから無理矢理ガラスの靴を脱がすとそれを、壁に投げつけた。
『あなたのせいで、いつまでたってもわたしは幸せになれない。シンデレラのくせに、幸せになるなんて、許さないわ。』
お母様は、近くにあった花瓶をわたしに投げつけた。
『きゃ。』
目の前に、花瓶がとんできたので、目をつぶってしまった。
あれ??痛くない。恐る恐る目を開くと、王子様が目の前にいた。
でも、王子様に怪我はなかった。
花瓶が、宙に浮いていた。
『えっ。どういうこと??』
『そこまで――――。』
フィンの声がした。花瓶は、フィンの魔法で宙に浮いていたのだった。
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