空色のスケッチブック

ゆう  2009-02-15投稿
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『できたぁー♪』
『何描いたの?見せて』
『まだひみつだよっ!』
『見せてよ』
『ま、待って!あなたの名前教えてよ』
『え?僕の名前?』
『うん、そしたら見せてあげるよ』
『あぁ、僕は夏島佳(なつしま よし)』

僕がそういうと君はまた何か
描きはじめた。

『本当にできたよ、ほら』
『えぇっ!?僕!?』

君の描いた絵は僕だった。
優しい色で描かれていた。
自分が描かれた絵を初めて見た。
なんだか不思議な感じがした。

『佳君の絵見せて、私を描いたんだよね』
『え?あ、うん』

君は僕の絵を覗き込んできた。

『わぁーきれーな絵だね』
『…ありがとう』
『自分が描かれてるって不思議だよね』
『そうだね、あ、君の名前何て言うの?』
『私は風本蒼(かぜもと あお)』

僕は君の名前を絵に書いた。

『あっ、これあげるよ』
『私のもあげる』

お互いに絵を交換した。

『佳君が今まで描いた絵見せて』
『いいよ。でも同じのばっかだよ』
『うん』

君は僕の今まで描いた絵を
一枚一枚じっくりと見ていた。

『…きれい』

と君がぽつりと言った。
その言葉がなんとなく
僕の心に残った。

『これみんな空だよね?』
『うん、朝、昼、晩
春、夏、秋、冬…色々な空』
『見た目の色は違うのに
色の名前が同じだね、みんな空色』
『うん』
『でも、どうして空を
描こうと思ったの?』
『………友達に…会いたいから』



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