空色のスケッチブック

ゆう  2009-02-15投稿
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霊安室に瑞輝はいた。

『…瑞…輝』

瑞輝の顔に被せてあった白い布を
とった。

瑞輝の顔は優しい顔をしていた。
いつも太陽に照らされていた。
少し焼けた肌は白かった。

また涙が…

さっきまでサッカーボール
持って騒いでいたのに…

また明日って言ったじゃん…

唯一、誕生日を祝ってくれた『親友』
ありがとうって言ってやりたい…




―僕の誕生日に瑞輝は空に。
でも僕はまだそこに行けない。
だから、一枚の画用紙いっぱいに
君を書き続けている。


―――――今、夏。15歳。

『…だから今日は特別な日なんだ』
『…友情ってすごいね』
『うん』
『誕生日おめでとう!』
『え?』
『今度は私が佳君の誕生日祝ってあげる』
『…ありがとう』
『でも親友じゃなくて、恋人としてね』
『えぇっ!何言ってんの〜』
『やだ?』
『ううん、違うよびっくりしただけ』
『じゃあよろしくね♪』
『うん』



僕は今まで君を描き続けてきた。
でもそれは今日でおしまい。
そんなことずっとしてたら
時が止まったままだ。

だからこれからは新しい君を
書き続けるね。









*おしまい*

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