空と海 ?

内田俊章  2009-02-15投稿
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 午後7時を回った頃、突然花火が上がった。
 「わあっ、花火だ!」
 空と早織は、歓声を上げた。
 4人が中央広場の方を見ると、ファイアーストームに火が放たれ、大きな炎が上がった。
 「あっ、何かが始まるんじゃない?」妙子が言うと、フォークダンスの音楽が、流れて来た。
 「お母さん、行って来ようよ!」早織が言うと「そうだね、空ちゃんも行く?」
 「うん、行く!行く!お父さんは?」
 「お父さんは、疲れたから、留守番をしてるよ。3人で、行っておいで」

 純子たちも、中央広場へ向かったが、海人が残っているのを見掛けた純子は、3人に「先に行ってて」と言って、海人の側へやって来た。
 「矢口さんは、行かないんですか?」
 「あぁ、先生。ちょっと疲れましてね、留守番です」
 「そうですか、私も休ませてもらって、良いですか?」
 「あぁ、良いですよ」海人は、そう言うと、一つの椅子を純子に勧めた。
 「私たちは、変な組み合わせに見えるでしょう?」
 海人は、聞かれる前にと思い、自分から話を切り出した。
「えっ?何の事ですか?」
 「父親と母親の、片親同士の親子が、一緒に居るなんて!」
 「ええ、まあ。私はだいたいの状況を聞いてますが、友達は、何も知らないものですから、変な想像をしてしまって……。すいません!」
 「いえ、謝る事なんてないですよ!」
 海人は、菜緒と妙子が親友同士で、毎年一緒に旅行をしていた事。そして、自分と妙子が、桜町小学校の1年生からの、同級生だった、と言う事を説明した」
 すると純子は、驚いて言った。
 「えっ!矢口さんは、桜町小学校の、出身だったんですか?」
 「ええ、そうですよ。空の先輩です!」
 「えっ?矢口さんは、3年前に転勤で、桜町に来たって聞きましたけど」
 「えっ?誰がそんな事を、言ったんですか?」
 「4月に、家庭訪問をした時に、空ちゃんのおばあちゃんが言ってましたよ!」
 海人は『ピーン』と来た。母親の富子が、変な気を使ったんだ!それも、妙子が『純子が同級生かも知れない』と言う情報を持って来たから、その接点を否定するためだ!
 「先生は、もしかすると、桜町小学校に、1年生の時に居ました?」
 「ええ、そうなんですよ。それで『海人』さんと、言う名前に聞き覚えが有ったので、聞きましたら、別人じゃないかって!」

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