その、高貴な笑顔に驚いた。
初めての世界に勝手な想像をしていたからかも知れない。
「よろしくお願いします」
自分でも、驚くほどすんなりと言葉がでた。
自分で決断したのに、心の中にあった気持ち…
「こんな所まで堕ちるなんて。もうおしまいだわ」
そんな風に、どこかで思っていた。そんな気持ちが、晴れるような、そう思わせてくれるそんな笑顔だった。
「初めてだって、店長から聞いてるけど」
「はい。何もわかりません。こうゆう部屋なんですね。」
「じゃあ。流れを教えるね」
欄さんは、自分がお客さんにするように、自分の体で私に教えてくれた」
「この仕事は、優雅に、カッコよく、笑顔でね。」
「きっと、人気でるわよ。あなた。優しそうだもの」部屋から出る時に、そう言ってくれた。
「この子すごく肌が綺麗。体型もいいよ。」
欄さんが店長に言った。
そんな所も見られていたのかと、恥ずかしくて、下をうつむいた。
緊張しまくっていた私を、勇気づけてくれたんだと、後になって気がついた。
「じゃぁ。頑張ってみろよ」
さっきまで、不信感さえ持っていた店長が、優しそうに見えた。
頑張ってみよう。そんな気持ちに、なれている自分がいた。