バイスは大統領執務室に戻ると、まず日本国総理大臣へのホットラインを、つないだ。
「ハロー、プライムミニスターナガタ・・・新たな歴史が動きはじめたようです。私はこれより地獄の業火の中を、歩まねばならない。世界中の人々の命が私に委ねられた。
バイスの名が、悪魔の代名詞として後史に記されても、私は運命を受け入れる。」
「わかっています、大統領。もうなにもいわなくていい。
だが、あなた一人を虜囚にはしない。
日本、ひいては人類のために、敢えて私も鬼の汚名を被りましょう。
共に地獄をいきます、プレジデント!。」
日本国総理永田の言葉に淀みはなかった。
強固な意志に満ちた決意ともとれた。
「ナガタ・・・あなたは!
おお神の民族ヤマト・・・。人類は神の加護を得たのやも知れぬ。
アインシュタインの残した言葉・・・今ほどこれを、希望のよすがとして、私を支えるものが他にはない。」バイスの言葉は、震えていた。
ヤマト・・・古代ヘブライ語で「神の民」を意味する言葉。
アインシュタインは、ヤマト民族をして、世界が救われるという予言を残していた。