十二月二十四日――。 静かな夜だった。星が見えなければ月も見えない薄暗い路地には、冷たい風が吹き抜けている。 ため息をついて空を見上げると、雲がうっすらとかかっていた。 もうすぐ、雪がふる。いや、これは勘ではなく、家を出る直前にみた天気予報による情報だが。 空気も雪がふる直前のような、しんとしたにおいだ。 こんな空気を一人で味わうなんて、思ってもみなかった。
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