ロザラムは瞬時に周囲を見渡すと、可能な限りの大きさの障壁を目の前に創り上げた。
「甘いわね!」
ユミナはそう叫ぶと、剣を掲げて光の塊を上空へ放った。
「しまった!」
ロザラムは唇を噛むと、急いで目の前にある障壁を移動させようとした。
しかし、時既に遅く、
「つあっ!!」
というユミナの声と同時に、上空にある光の塊から放出されたエネルギー弾がロイ達に向かって降り注いだ。
「うわあああ!」
ロイ達はそのエネルギー弾の直撃を受け、全員がその場で倒れ伏した。
「ううっ…」
「くそっ…」
ルイスとリリーは全身に走る痛みに耐えきれず、呼吸を荒くしながら悶え苦しんだ。
ロザラムは痛む身体を抑えながらルイスとリリーの側に寄って、二人と自分に回復魔法をかけ、立ち上がった。
「ふふっ…ちょっと前まで殺そうとした子達に回復魔法をかけるなんてね」
「うるさい」
ロザラムはユミナをギロリと睨みつけると、後ろを向いて、心配そうな表情でエミリア達の方を見た。
エミリアは自分とミリス、ロイに回復魔法をかけている最中だった。
ロザラムは一つ小さく微笑むと、前を向いて真剣な表情でユミナと対峙した
「…いい男ね、あなた」