天使の碧い糸?

碧蒼葵 劉刃 (アスサキ リュウハ)  2009-02-16投稿
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ヒュ……ドスッ。
地面に鈍い音が響く。
「何の音!!?」
「いやぁッ!!!人が!!!」
「誰か!!救急車!!!」
沢山の声と流れでる大量の血。

-2006年2月14日-
私、月染さくらは、マンションの屋上から飛び降りて自殺した。
理由は簡単。
生きるのに、飽きてしまったのだ。
喜びを、楽しみを、感じられなくなってしまったのだ。
だから、私は死んだ。
これで楽になれると、つまらない日常から解放されると…そう思っていたのだ。

…なのに。それなのに。
「おい!!さくら!!!いつまで寝ている!!女神様がお呼びだぞ!」
「…うるさいなぁ。もう少し寝させてよ…」
「何をふざけた事を言っている!!お前だって天使の端くれなんだ!!しっかりと仕事をしろ!!」

…なぜ私は、天使なんかやっているのだろう。

―トントン。ガチャ。
「失礼します。」
「おう。さくらか。遅かったな。」
「…相変わらず女神とは思えない口のききかたですね。」
「何だ。何か文句でもあるのか?」
「…いえ、別に…」
この人が女神様。名前は確か…マリアンヌ…なんとか。長すぎて覚えられない。
横暴な話し方だが、一応この天上界を治めている人だ。(いや、人ではないな…)
「あの…女神様。何の用事でしょうか?」
「あぁ。そうだったな。すっかり忘れていた。」
…忘れるなよ(汗)
私をこんな早くに起こしたくせに。
「久しぶりにお前に仕事だ。これを見ろ。」
そう言って資料が手渡される。
「はい。えっと…男性のプロフィールと死亡予定書ですね。…魂回収ですか?」
魂回収とは、その名の通り、死者の魂を回収し、天上界へ運ぶという、天使のメインとも言える仕事だ。
「ああ。その男性はあと10日後に死亡する。お前にはこれからその女性の元へ向かい、その死を見届け、死後魂を回収してきてもらいたい。分かったな?」
「…めんどくさ…」
ボソッと聞こえない様に言ったつもりだったが、どうやら聞こえていたらしい。
「何か…文句でも?」
「いえ!何でもありません!!」
「なら今すぐに行け!!」
「ハイ!」
まるで鬼の様な顔に変貌した女神様から逃げる様に私は地上へと向かった。

―この頃は、まだ知るよしもなかった。
彼が、私の運命を変える事になるなんて―

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