――フィン
『そこまで――――。』
心配になって、こっそり人間界にきてしまった。
『フィン?!どうして、ここに...。帰ったんじゃ』
ミリーも他の人も、驚いていた。
『お前は、誰だ!!どこから、はいってきた??』
『これは、ハミール王子。紹介が遅れて、申し訳ありません。わたしは、魔法使いのフィンでごさいます。ミリーは、わたしの命の恩人でして...。』
『魔法使いが人間界にくる時は、申請が必要なはずだ。きさまは、持っているのか??』
『はい。ミリーが持っています。』
『ミリー??ミリーとは、ガラスの靴を履くことが出来た娘のことか??』
『はい。ミリー、友情の証を貸してくれないか??』
『はい。これです。色が変わってしまいましたが。』
『こ、これは?!Sランクの石ではないか!!』
『フィン、どういうことなの??それは、友情の証ではないの??』
『わたくしが説明します。』
『セバスチャン、そのことを国民に教えてはならないはずだ。』
『はい。確かにそうですが、透明の石を持つ者には知る義務があります。』
『そうだな...。』
『えっ??どういうこと??透明の石を持つ者??』
『ミリー、ごめん。嘘をついていた。でも君を騙そうとしたんじゃないんだ。』
『ミリー様。どうか、その者のことを信じてやって下さい。魔法使いと人間がいる限りこのようなことは、必ずあるのです。』
僕は、ミリーに嘘をついていた。
決して許されることではないけれど、ミリーの夢を叶えるためには仕方なかったんだ。
次回→shape 29