怖い…
『じゃあ上川がいなくなれば
いいんだね?』
『…どういうこと?』
『消すんだよ』
『…っ!!』
彼の目は殺気に満ちていた。
『あいつ学校サボってなにしてるか
知ってんの?他の女と遊んでんだよ?』
『…え?』
ら
うそ…だよね?
『信じられないなら見てみる?』
私は何も言わず頷いた。
『ほらあそこ、〇〇ビルの下』
『あっいた!…女と一緒に』
『ムカツクよねぇ』
私は何度も頷いた
『でも神谷さんが僕と付き合うなら
彼は消さない』
『うん…じゃあ付き合うよ』
『本当に?』
『今ちょっとだけど猫田君が
かっこよく見えたよ』
『ちょっとかよ〜』
『うーん』
『まぁいいや…でも』
『なに?』
『僕、普通の人間じゃないよ』
『え?』
『僕は猫…』
彼が話し終わる前におどろいた。
『えぇっ!?』
『時々だけどね』
『でっでも実は私も猫だったんだよ』
『知ってるよ』
『だから君に告った』
『…』
『でも君が猫じゃなくても
君に告ったかもしれない
彼氏がいても奪うつもりだし』
やばい、かっこいい。
『ふたりだけの秘密が出来たね』
『だから…今度こそ』
そういって猫田君は私を抱き寄せて
キスをした。
その瞬間、私たちは猫に
戻っちゃった。
猫田君は名前の通りクロネコに
私の名前は神谷しろ
だからシロネコに…
戻っちゃった。
制服を着た猫が二匹。
丘の上で気持ちを打ち明けた。
『大好き!』
終わり