PECULIAR

チューちゃん  2009-02-17投稿
閲覧数[437] 良い投票[0] 悪い投票[0]

あなたは
異常なもの、
常ならざるものを
どのようにして見分けますか?

人は他人を観察し
自分と比べることで
己が何者なのか知ろうとする。

だが、
「それ」には
同族と己を比べ、
己が《常識の中の存在》なのか知るすべは
なかった。

もし、
同族ならざる我々人間が「それ」を見、
一言で表そうと試みた
ものならば
「それ」は異常、異形の存在であった、と
そう称したであろう



「ウウッ! グッッ
グッアアッ!
ブッハァ! ハァハァ
アァ?
あっ、またあの夢か…」
いつもの部屋、
いつものベッドの上で
毎日目にする天井を
見つめ、青年は目覚めた。幾分息を荒げ、辺りを見渡し、いつもと変わりない自分の部屋だと分かると、ほっとし、またイライラしながらつぶやく。
「クッソ!
ここんとこ毎日だ、
同じ夢を…」

青年は汗まみれの額を手の甲で拭い、
ベッドの脇においてあるペットボトルから、お茶を一口飲んで、ようやく落ち着いた。

(なんでこう嫌な夢を…)
青年はもう一口お茶を飲んでから思い出してみた。

(今日は何だかいつもより覚えてる…)

暗闇のなかに「それ」はうずくまって‐いるように感じた。‐かすかな声でつぶやいていた。
『俺ハだレダッ…!』
「それ」はまさしく異形の存在であった。
今まで見たことも、
いや、《想像の及ばぬ範囲にある》ものであり、夢のなかで相対した瞬間に、人間の持てる全ての危険を感知する能力が、警告を発した。

そこまで思いかえしたところで、青年はブルッと身を震わした。
(汗かいて冷えちまったかな…)
傍らに置いてある時計に目を向ける。
午前3時ジャスト
(そろそろ寝とかないと明日がつらい…)
青年は布団をかぶると、今度は夢を見ずに
心地良い眠りに堕ちた。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 チューちゃん 」さんの小説

もっと見る

SFの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ