“キャー!!1年の小池君かわい〜ッ!!”
“アホか?!このバカ女子!!
敵チーム応援してんじゃねーよッ!!”
“うるさいわね!!いいじゃん。男子だって“騎馬戦”のトキ、騎手役の女のコにデレデレしてたじゃん!!”
“キャー!!こっち向いて〜!!”
応援席から聞こえてくる女のコ達の声援が、更にあたしの心臓を刺激する。
第1走者100mは1年生。
第2走者200mと第3走者300mは2年生。
アンカーは、3年生が走るコトになっている。
さすがはリレー。
足の速いヒト達ばかりだ。
くじ引きで当たったから仕方なく走るコトになったあたしは、
なんか、自分が場違いな気がして急に恥ずかしくなった。
第2走者が立つ、スタート位置に目をやると、
みんな、第1走者からバトンを渡されるのを、今か今かと待っている。
ドキドキドキドキ――
トップを走る白組の第1走者が、今、第2走者へバトンを渡した。
2位で入って来たのは赤組。
すごい。
しかも、トップとほとんど同時にバトンを渡した。
“赤組行けぇ―!!”
“白組!!赤に抜かれんなよ―!!”
赤組の第2走者は、あたしと同じクラスの男子、古原だ。
古原は、陸上部だから、足が速いんだ。
ふぇーん。そんな中に、あたしいていいのかなぁ。
ドキドキドキドキ――
あっ!!古原、トップの白組を抜いた!!
と言うコトは、あたし、トップで古原からバトンを渡されるワケ?!
ひえぇっっ。
これは責任重大!!
よしっっ。
覚悟を決めたっっ。
もう、やるしかないっっ。
なるようになるっっ!!
開き直るしかないッ!!
無理に気持ちを奮い立たせるしかなかった。
そうでもしないと、
あたし、
プレッシャーで押しつぶされてしまいそうだったから。
聖人。
心の中で応援してくれてる?!
神様!!
あたし、300m走り切れますようにッ!!