ある日シャワーから出る
と、そいつは発情してい
た。
私は、二度とあの臭いを
嗅ぎたくなかったので、
「ちゃんと皮を剥いてか
ら洗って!」と言った。
そしてそいつはシャワー
から出てきた。
クワえる前に確認したら
異臭はするし、カスも付
いていた。
「まだ臭いもするし、何
か付いてる。ちゃんと洗
って!絶対クワえない。」
私は、言った。
「何も付いてないよぅ。」
そいつは言った。
眼鏡の奥の瞳からは、そ
いつのブツに付いた小汚
ないカスはまるで見えて
いないようだった。
長年連れ添ったカス達を
カスと受け入れず、体の
一部として受け入れてい
るのかもしれない。
「じゃあ舐めなくていい
から見ててよぉ。」
私の脳内は一瞬「?」で
埋め尽くされた。
そいつは私の目の前で擦
り始めた。
「気持ちいいよぉ。一緒
にやるぅ?そんなに見ら
れたら興奮しちゃうよぉ
。」
…勘弁してくれ。
それからそいつはティッ
シュを取り、ブツにあて
腰を何度かビクビク動か
していた。
どうやらイッたらしい。
そいつは座り溢れた液を
拭いていた。
その姿は残念なほど情け
なかった。
精神的にも肉体的にも疲
てきていた。
全く仕事が出来るように
ならないので、会社にい
るのが本気で嫌になって
いた。
そいつに相談したところ
「辞めたければ辞めれば
いい。」
と言うので辞めることに
した。
途端にそいつとの関係が
嫌になった。
今までのことが、気持ち
悪くてしょうがなくなり
別れを告げ、家を出るこ
とにした。
例え仕事の為といえ、あ
んなに気色悪い体験をす
るとは思わなかった。
安易な自分を少し見直さ
せて頂いた。
今となって考えてみれば
彼にコンプレックスを抱
かせてしまったかもしれ
ない。
だけど次の彼女の為に私
は犠牲になったのだと、
自分を正当化した。
今ならもっとうまく接す
ことが出来たかもしれな
いが、当時の私は逃げた
い気持ちでいっぱいだっ
た。
お互い様だが、傷付けて
しまった事に申し訳なさ
を感じる。
そいつとは二週間しか一
緒にいなかったが、非常
に思い出深い二週間にな
った。