「あれ。手紙だ」
下足箱に一通の手紙が入っていた。
「どしたの〜?青山くん」
「あ、美希ちゃん。俺のゲタ箱に手紙が…」
「へぇ、何て?」
「えっと…“桜の木の下で待ってます。三村”」
三村?どこかで聞いたような…
「三村って隣のクラスのジミ村じゃん!!」
あぁ。思い出した。隣のクラスの地味で根暗の女子だ。
「うわ…。青山くん、行かない方がいいよ」
「うん…」
結局その日、俺は桜の木の下へ行かなかった。
-3日後-
「嘘でしょ?」
「ホントだって」
隣のクラスが騒がしい。
「何の騒ぎ?」
「あ、青山。なんかジミ村が行方不明になったらしい」
「マジ!!?」
「ああ…3日前から家に帰ってなくて警察も探してるんだけど、全然見つからないんだと」
「3日前って…」
俺に手紙を送った日…嘘だろ…
それから何日たっても三村は見つかる事は無く、再び春が訪れた…
「桜、満開だね〜」
「そうだな〜」
俺は美希に呼び出されていた
「で、話って?」
「うん。あのね…私、青山くんの事…」
美希が話し始めたその時、不意に後ろから声が聞こえた。
アオヤマクン…
誰だ?振り返ると誰もいない。だが今度は美希の叫び声が…
「嫌あぁぁぁっっ!!!」
「!!?」
もう一度正面を向くと、そこに美希はいなかった。だが…
「やっと来てくれたね。アオヤマクン。」
「お前は…まさか…」
「もう待ちくたびれちゃった」
そこには三村がいた
「…美希ちゃんは…」
「ん?私の告白を邪魔したから消しちゃった♪」
「嘘…そんな…」
「それよりアオヤマクン。私ね、大事な話があるの…私アオヤマクンがずっと好きだったの。
だから私の恋人になって?」
「…い…」
嫌だ、と言いたいのに口が動かない。
「い…いいよ」
口から勝手に言葉が出てくる。俺は体を操られてしまっていた
「ホント?嬉しい♪」
そう言うと三村はいきなり首を絞めてくる。
「じゃあ…一緒にあの世に行かなきゃ…ね?」
…苦しい…だが、抵抗出来ない…
「ダイスキだよ。アオヤマクン…」
―ねぇ、知ってる?
この学校の桜の木の下にね、男と女の死体が埋まってるんだって。
2人は桜の木の下で永遠に結ばれたんだって―