「俺は違うって言ってんだけどねー。衞って寂しがり屋さんだから」
えっ…?
宏介、嘘とかつかなかったんだ。
宏介が私と付き合ってるって言えば、一発で衞と別れるコトが出来るのに…。
「宏介ぇ。もう言うなって」
衞の顔がすごく真っ赤になる。
あぁ、よかった。色んな意味で助かった。
「バカ。私が好きなのは、衞だよ…衞だけだよ」
安心して、気が緩んだせいか突然涙が零れた。恥ずかしくなって拭おうとしたが、止まらない。
衞は近寄って、私を抱きしめてくれる。
宏介は……何も言わず、窓の外を遠い目で眺めていた。