「今、我が国の状態は周知の通り、大変な危機にさらされている。成績低下、これによって日本企業、経済は大きな影響を受け、日本という国はこれから急激に廃れて行くだろう……。このままではいけない、何とかしなければならないのだ。」
菅原先生が、ここまで声を大きくするのは久しぶりだ。
そのせいかクラスの皆は静かにし、先生の話に聞き入っていた。
「そこで、日本政府が1つの決断を下した。新しい教育システム……。
年に6回、定期試験の代わりに、国が日本全ての高等学校に共通問題を配る。それを、君達が解く訳だ。
科目は、英、数、国の3科目。
制限時間は60、80、60分。
そして………。」
クラスの生徒たちは関心を無くしたのか、ざわつき始めた。
「はっ、国の偉い人方が、俺たちを教育してくれるんだとよ、」
「ははっ試験休みの日にまたゲーセン通いすっか!?」
「……そこで、各学校の学年の最下位……10名は……
国が処刑をする事にした……。」
「は………?」
クラスは、静まりかえった。
馬鹿な奴は……国が……殺す?
そうすれば……皆…必死になって勉強する……?
陵の頭の中が真っ白になった。
「これが国が定めた新しい法律……“絶対学業”だ。」
【宣告 続】