『唯さんのことが好きだ』
初恋は小学二年生の時。しかし、一歩踏み出す勇気がなくてそのまま恋に終わった。中学生になると新たな恋を見つけた。別のクラスだったが彼女の笑顔は太陽のようだった。眩しすぎて火傷してしまった。一目惚れというやつだ。一、二年と別のクラスだったが三年生になって同じクラスになった。これで告白しないと後で後悔すると思い、僕はついに告白をした。
『ごめん、翔太君は良い人なんだけど他に好きな人がいるの』
彼女は言った。誰が好きなのか聞きたかったが聞けなかった。
その日の夜、僕は涙が止まらなかった。泣きすぎて顔にニキビみたいなのができた。次の日の朝母に会うと、僕の顔を見て“今成長期だから仕方がない”と言ってきた。ニキビが出来た原因が分からないから仕方がないが僕は幻滅してしまった。
その日の放課後、僕は忘れ物をしたので教室に取りに戻った。教室の近くまで行くと唯さんと友達の会話が聞こえてきた。『昨日翔太君に告白されたんだけどマジキモかった〜。だから他に好きな人がいるって嘘ついちゃった』
この言葉で僕は女子が信用できなくなった。自分を良く見せるために都合の良い嘘を平気で言う。心が荒んでしまった気がした