エドとラドンの命知らずなカーチェイスに今にも心臓が破裂しそうなダルだったが、次の瞬間本当に死を確信した
互いに不敵な笑みをした瞬間右車線から大型トラックが飛び出して来たのだ!まぁ最も信号無視した2人が悪かったのだが、そんなの関係なしにダルは今度こそ死んだと思った
しかし、エドとラドンはドリフトで避けようとしたが、流石にタイミングが間に合わなかったみたいでトラックに車の右サイドが当たってしまい窓ガラスが派手に割れた
ダルはみっともなく絶叫するがエドは何もなかったかのように前を見続けていた
(えっ?なに?こんくらいは許容範囲なの?君にとっては?)
そんな事を頭を抱えながら思ったダルにエドが察したみたいで
「だってこれ僕の車じゃないし」
真顔で親指を立てて答えた
「そっそうかい」
もうどうにでもなれと思ったダルだった
しかし、この些細なアクシデントのせいで今まで平行に走っていたのが、ラドンに先をこされたのだ
エドは何度も抜こうとすると絶妙な角度とタイミングで邪魔をするラドン。だんだんイライラが溜まってきたのかハンドルを叩くエド
だが、急に何もしていないのにラドンは右に移動したのだ。2人が疑問に思った瞬間目の前に左側から横断歩道を渡ろうとする子供が5人現れたのだ!
慌ててギアを巧みに変えてギリギリで交わすエド。バックミラーで子供達を見ると全員地面に座り込んで泣きじゃくっていた。どうやら怪我はないようだ。
「よっ………」
「良かったぁ」
ダルが「良かった」と呟くよりも早くエドが力が抜け切った声で冷や汗たっぷりに呟いた。どうやら流石の彼でもギリギリだったみたいだ。
だが、これのお陰でまたラドンの横につける事ができた。さらにラドンも交わし切るとは思っていなかったのか、エドの体当たりで簡単にふらついてしまった。その瞬間ラドンの前に出た
「よっしゃ!形成逆転」
エドがガッツポーズを取る
「エド!もうすぐ広場だ」
ダルが前方を指差して言うと、エドは「……分かってる」と、まだふてくられながら答えた。
(リスターさん……任しましたよ)
ダルとエドは、先程のリスターとの会話を思い出していた