奈央と出会えたから。<325>〜訂正版〜

麻呂  2009-02-20投稿
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『奈央!!大丈夫?!立てる?!』



『うん。大丈夫‥‥じゃないみたい。』


『つかまって。保健室行こッ。』



ユカに手を貸してもらいながら、何とか立ち上がるコトが出来たあたしは、



ユカに支えられながら立ち、聖人の走る姿を見ていた。



“すげっっ!!おいみんな見てみろよ!!北岡のヤツ。片っ端から抜きやがるゼ!!”



“マジかよ、おい!!なまら早ぇじゃん!!アイツ、あんなに足速かったのか?!”



“陸上部でもいねーよ、あんなに速いヤツ。”



“おい!!ついに2位まで上がったゼ。あと1人だ!!”



みんな、



聖人の姿に目を奪われていた。



全校生徒の目が釘付けだった。



『奈央‥‥。聖人すごいよ‥‥。アイツ‥‥心臓弱いのに。』



『‥‥‥。』



ユカの言葉に、



あたしは何も返せなかった。



聖人。



来てくれてたんだ。


あたしの為に、



走ってくれてる。



あたしの為に‥‥‥。





“北岡―――!!

あと1人だ!!抜け―――!!”



“お、おい、マジで抜くんじゃね?!”


夢を見ているみたいだった――



目の前の、この光景が――



あなたの、走る姿が――



とてもまぶしくて――





“キャーッ!!北岡が最後の1人を抜くわよ!!”



“北岡行け――!!”



あと、数メートルでアンカーにバトンタッチ。



聖人!!頑張って!!



神様っっ――





『奈央!!見て!!』



『う、うんっっ。』


アンカーにバトンを渡す、数メートル手前で、



聖人は最後の1人を抜いた――



『アンカー!!頼むゼ!!絶対1位だからな!!』



すごい‥‥。聖人。


あたしが抜かれた5人全員抜き返しちゃったよ。



“キャー!!北岡君〜〜〜♪”



“ア、アイツ‥‥や‥やりやがった‥‥。”



“とても人間わざとは思えねぇ!!”



“すげぇ!!北岡、アイツは、すげ―よ!!”



赤組の仲間達が口々に聖人のコトを褒めたたえた。



赤組だけじゃなくて、



他のチームの者も、みな、聖人に注目していた。

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