Push!Push! #3

ねむしゅー  2009-02-20投稿
閲覧数[659] 良い投票[0] 悪い投票[0]

PM7:45 ソワソワしていた。
パニックになった後、電話相手から

「入会希望ですか?そしたら…」

と言って説明してくれた。
なかなか気のきく人だ。

ある程度の地図は覚えた。

PM8:00 ドキドキしてきた。
とりあえず着替えないと。
スーツはおかしいな…
ラフな服装…

クローゼットの中の引き出しを引いた。
高校のときのジーンズが
1本しかない。
他に選択肢はないのでそれをはき、
上は襟の延びたトレーナー。
さすがに格好悪いので
カッターシャツを着た。

PM8:15 この距離なら10分いらないと思い
家を出た。
移動手段は我が愛車
バーツ号。自転車だ。

地図の通り道を行くと
あった。確かにココだ。

素通りするフリをして
横目で道場の中を見ようとした。
見えなかった。

自転車停めて入るしかない…

心臓が爆発しそうだ。
自転車を止め、扉を開けた。

中には数人いたが、顔が見れない
疎らに

こんばんは

という声が聞こえてきた
言い返したつもりだったが、声にならなかった

「電話くれた人かな」

すごく体格の良い、ほぼスキンヘッドのひとが、声をかけてきた

「ここの師範の樫宮です」

おれはただ黙って頭を下げた
それからも樫宮さんの話は続いたが
頭に入らなかった

「片波さん」

そう呼ぶと、小柄で、いかにも真面目で、誠実そうな人が駆け寄ってきた

どうやらこの小柄な人が指導するらしい

軽く挨拶を交わした後、樫宮さんは出ていき
片波さんの
生まれて初めて見る
空手の練習が始まった

道場には片波さんの他に
4名いた
3名は50代だろうと思われる
1人は女の子だった。中学くらいだろうか

片波さんの号令に合わせて
他の人が声を出しつつ
パンチをうつ形をする

おれは壁に寄り添うように、立って見学していた
どれくらいやったのだろう
一通り終わったのか、みんなバラけて、タオルで汗を拭き、水分を補給していた

その光景を眺めていると

「ちょっとやってみますか?」

片波さんが話しかけてきて、ニコッと笑った。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ねむしゅー 」さんの小説

もっと見る

スポーツの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ