上りのエレベーターの中で貴方が連れて行ってくれると言ったお店の話をしていた
貴方が以前誰と行ったのか気になったし聞いてみたかったけどもうどうでもいい
今一緒に行こうとしてくれているのは私だから
今は私を選んでくれたからそれでいい
それに貴方が今の生活がそんなに幸せではないという事も知ったから
例え嘘であろうと貴方の言葉だけを信じたい
私と居て少しの幸せを感じてくれる様に
楽しいと思ってくれる様に
特別な人に変わる様に
約束の日は頑張るから
この日は気持ちが浮足立って仕方がなかった
いつもなら少しでも残業をして貴方の隣にいる時間を増やすけど今日は満足だった
早目に仕事を切り上げ帰る事にした
『お疲れ様でした』
この一言が清々しい
充実した一日
沢山の幸せを感じた一日
二人で過ごせるその日が来るまできっとこうして明るくなれる
何日か前の孤独感がすっかり消えていた
いつもと変わらない帰り道
泣いて帰った日もあった
でも今は足取りが軽い
スキップでもしながら帰りたい気分だった
この喜びを誰かに話したい
そんな事は出来ない事は分かっている
この恋悩みは決して誰にも話せない
確かに辛くもあったけど
今はこうして幸せを独り占めするのも悪くない
沸き上がる喜びを一人噛み締めて帰った