小学一年の終わり頃。母に「ママね、お腹に赤ちゃんがいるのよ。あんたももうすぐお姉ちゃんね」といわれた。その時急に涙が溢れてきた。大好きなママを取られる…!!そう思った。けどそんなこと母の幸せそうな笑顔を見たら口が裂けても言えなかった。目には涙を浮かべたまま「男の子かなぁ、女の子かなぁ」ってできるだけの笑顔で話した。それから数カ月後。あたしはお姉ちゃんになった。弟だった。生まれたら生まれたで可愛くてよく遊んであげた。でもたまにこいつがいなかったらママともっと遊べるのに…とかはよく思った。その頃だっかな。父が自分で店を立ち上げた。多分これが不幸への第一歩だったんだろう。