スラム part30

やいち  2009-02-21投稿
閲覧数[596] 良い投票[0] 悪い投票[0]

大会の閉会式が終わった。

結局、団体戦は翔が3-2で秋沢を敗り、優勝した。

翔星は強い選手を完全にまわしていたようで、後半の2試合は落とした。

そのあと、昼休憩を挟んですぐに各階級の個人戦が始まった。

個人戦も優勝や準優勝は名門校ばかりだった。


やっぱり私学は強い高校が多いな。

勉強になった。
修二は会場を出て、帰路についた。


「嘉谷!!」

後ろから声がした。

振り返ると、背は修二と同じくらいの見覚えのない男が立っていた。

「君、嘉谷だよな?」

その男が聞いてきた。

見覚えのない、いや、そんなわけないだろ。
俺はこいつをよく知ってる。
団体戦で秋沢の選手を一瞬で投げたやつだから。
違うだろ。俺はもっと前から知ってるんだ。

「俺のことわかる?」

男が聞いてきた。

「あぁ、覚えてる。」
修二の口から無意識に言葉がもれる。

「それなら話が早いな。壮真はうまいことやってる?」

壮真…あぁ、新藤のことか。

「やってるよ。あんただったのか。あいつの言ってた先輩って。」

新藤が俺のよく知ってる人だと言ってた意味が今ならよくわかる。

名前もはっきりわかる。
市瀬真也(いちせしんや)。中学最後の大会、俺はこいつに負けたんだ。

修二は市瀬をみながら心の中でささやいた。


この日、修二の消えてしまっていた柔道の炎が再び燃えだすのであった。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 やいち 」さんの小説

もっと見る

スポーツの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ