悪夢はこれだけでは終わらない
泣き疲れて布団に包まった
朝が来たら早く此処から出よう
そう思い目を閉じた時にドアを叩く音がした
何度も叩く
恐る恐るドアスコープを除くと彼がまだそこにいた
恐怖で後退りをした
少し放っておけば諦めるだろうと必死に目を閉じて眠ろうとしたけれどそんなに甘くはなかった
ノックは一時間半続いた
眠れる訳がない
恐怖は大きくなるばかり
布団をかぶり耳を塞いだ
こんなに恐怖を感じたのはいつぶりだろう
体が震える
無意識に貴方の名前を連呼していた
『助けて』
と何度も貴方を思い浮かべ言った
貴方に今電話が出来たら
貴方が助けに来てくれたら
ドアの外に彼の姿が見えなくなったのを確認して眠った
最悪な一日だった
これからどうしよう
貴方に相談をしたい気持ちになった
だけどそうすればどう思われるだろう
『あの人結婚してるのに』なんて口走れば私は貴方をも否定する事になる
そこで私達も終わる
でも辛過ぎる
次の週明け
私は嫌な思いで職場へ向かう
今は貴方との事よりも彼への接し方を考えなければいけない
私は馬鹿だ
これ以上悩みは増やしたくない
変な噂は流されたくはない
特に貴方の耳に入る事が一番嫌だ
恐怖から解き放たれこんな事を考えてしまう自分が情けない