ダダダダ
ドーン ズダダダダダ
「ヘイ!ジョージ!敵を独り占めしちまうなよ!」
ここは森の戦場。
ダダダダダ
銃声が響き渡る。
「ハッ!うるせー、ルーク!俺はむしゃくしゃしてんだよ!」
ズダダダダダ
「まだキャシーと喧嘩してんのかよ!」
「ちくしょー!敵兵め、蜂の巣にしてやるぜ」
ドーン ドーン
「全く…誰だよ…ヒステリックに銃もたせたのは」
ルークは呆れつつ銃を撃ってる
「ヘイ!ルーク、弾丸が無くなった。予備くれ」
「冗談だろ…ジョージ…何発あったんだよ」
「早くくれ!敵が来ちまう」
ルークはベルトからマガジンを取りつつ
「ほらよ!お小遣はこれしかねぇぜ」
マガジンをほうりなげたが、ジョージまで届かず、手前1メートルところで落ちた。
「しっかり投げろよルーク、うちの3歳の甥っ子でもこの距離届くぜ」
ルークはジェスチャーで返した。
ジョージがマガジンを取ろうと
体を伸ばした瞬間…
「ハハッ、どうしたジョージ!キャシーが恋しくなって泣いてんのか」
静かになった後方を見ると
ジョージはうずくまっていた
腹部から夥しい黒い血が流れている
「お、おい…冗談だろ…」
「へッ…ヤキがまわっちまったぜ…」
「喋るな!すぐ連れて帰るからな…」
「もうダメだ…自分が1番解るよ…すまねぇな…昨日お前に借りた10$…返せそうにねぇ…」
「そんなのいらねぇよ!帰ってキャシーに会うんだろ…?」
ルークは涙を流した。
「あ、あぁ…死んだらまたキャシーに怒られちまうな…」
「そうだよ!仲直りしないと…死ぬなよ…」
「キャシーに…謝っといてくれ…そして…愛してると」
ジョージの首がうなだれた。
「ジョージーーー!」
森は悲しみの雨に包まれた。