シーラが言うのでランスは二人を残して部屋を出た。
雪とシドマが心配そうにこちらを見ていたがここはシーラに任せよう、と言ってラウフからコーヒーを受け取る。
そしてシーラが出てくるのを静かに待つ。
「私の事は、恨んでくれて構わないから。」
「いや……ッ
そんな…恨むなんて…」
「恨んでないの?」
そう問うシーラの瞳は、決して嘘を許さない。
「恨んでない…と言えば嘘になる。
でも、あんただけに罪を着せるのも違う。」
「そう…。ありがとう。」
瞳を伏せ、シーラは静かに呟いた。
「シーラ、聞いてくれるか?16年越しの、告白。」
フォーが言うとシーラは静かに頷いた。
「俺は、お前に惚れてた。
記憶を書き換えられても、ずっと、想ってた。
―――ありがとう。」
「私の答えを知っていて告白するんだもの。
…呆れた人だわ。」
ほとほと呆れる、そう繰り返す彼女だが、瞳がそうは言ってなかった。
「わかってる。
わかってて言ってるんだから、これでいい。」
そう言ってフォーは微笑んだ。
シーラもそれに微笑みで返す。
「…さ―――、みんなの所に戻りましょう?
きっと貴方を待ってる。」
―――だが、まだ彼らは知らなかった。
そして気付かなかった。
…あの時取り逃がした敵が、仲間を引き連れ小屋の周りを取り囲みつつあることに。