「初めてだって?光栄だね。でもなんでここなの?もっと楽して稼ぐとこなんていっぱいあるじゃない」
ピンクのYシャツ学生時代は、サッカーに狂ってたと言う30代位の人だった。
意外だった。もっとこうゆう所で遊ぶ人は、女縁のない人というか、冴えないというか、勝手にそんな風に思いこんでいた。たぶん、かなり堅そうな仕事をしていそうだった。
「いくつなの?23歳くらいかなぁー」
ピンクのYシャツの人がいった。
どうやら、若いと思っているらしい。
シャワーを手にした手が、緊張してシャワーを落としてしまった。
お湯の勢いで、シャワーのホースがグルグルと回った。
慌ててホースを掴まえたが、その時は二人とも頭からずぶ濡れになっていた。
「すいません。大丈夫ですか?」
「アハハ。大分緊張しているんだね。大丈夫だよ。」
叱られると思っていた。
人間的にも、普通の人なんだ。
緊張感は大分取れた。
後は仕事をしっかりと、笑顔を絶やさないと言う欄さんの言葉を繰り返し意識して、時間になった。
「君に会えてよかったよ。僕は今日ここに来て良かった。ありがとね」そう言って帰っていった。
なんだか少し自信がついた。
「いい子だって。言ってたぞ。良かったな。頑張れよ。今日は疲れただろうから上がっていいよ」
やれる!という自信と手にしたお金。毎日不安だった事の解決へ確実に向かっている。
この事が、何より私に、安心感を与えた。