「なるほどな。だからあの時再登録を申し出たのか…」
ロザラムは首を横に振ってぽりぽりと頭を掻いた。
「ではもう一つの質問だ。君はロイ君と知り合いのようだが、彼と過去に何があったのかね？」
「…」
ユミナはその質問を聞いて顔を歪めると、唇をぎゅっと噛んだ。
「話せない事かね？」
「…いえ、そんな事は無いわ」
彼女はそう言って一つ大きく息を吐くと、ちらりとロイの方を見た。
「っ！」
ロイは一瞬息を止めて、顔をこわばらせた。
「私は幼い頃、ロイと同じエルダスの町に住んでいたの。光属性の母親と、闇属性の父親と一緒にね。…父は同じ町に住む彼の父親、ライルと仲が悪くていつもケンカをしていたわ」
「ライル殿と…？」
「ええ。『同じ町に二つの鍛治屋はいらない』なんていうバカみたいな考えで勝手に対抗心を燃やして、毎日ケンカを売りに行ってたのよ」
ユミナは鼻で笑いながら、髪を掻き上げた。
「何度も鍛治で勝負を仕掛けに行ったみたいだけど、結局、一度も勝てず仕舞いでね。それで、父はそのストレスを暴力という形で母さんや私に向けたのよ」
「！」
ロイはそれを聞いて、目を大きく見開いた。
「特に光属性の私に向けられた暴力はひどかったわ…」
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