盲目のピアニスト ?

ファスナー  2009-02-23投稿
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ジリリリリン!!

セットしていた時計が鳴っている。

ジリリリリン!!

カチッ。

時計を止め、手に取り見つめる。


俺は時計を見るのが好きだ。
その時、その空間だけ時間の進みを感じられる。


無限に続く現実、永遠にも思える時の進み。


「時間なんて無ければ良いのに……」


ポツリと呟く。


必要なのは時間では無く区切り。

進まない時間など要らない。

繰り返しを始まりに変えてくれる区切りが必要だ。

時間は必要無いが、時間と言う区切りは必要。その矛盾がイライラを更に募らせる。

そんな事を考えていたが、ハッと我に帰ると気付けば遅刻ぎりぎりの時間になっていた。

慌てて支度をして家をでる。

いつもなら学校に行くのが嫌でしょうがない。

でも今日は違った。
昨日の放課後のピアノの音が気になる。

こんな気持ち、小学校の時の遠足の前の日に置いてきたと思っていた。

「不思議な感じだ」

久しく感じていなかった思いに浸っていると、ようやく学校が見えてきた。

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