この奇妙な光景に周りも俺も困惑していた。
今こんな遊びが流行ってるのか?
すると女生徒が均衡を破るかの如く、
女生徒「何で階段に柱?」
俺はその場でズッコケそうになった。
何とか踏ん張ったが、まだ女生徒は首を傾げている。
俺はようやく状況を把握した。
俺「お前目が見えないのか?」
女生徒「ひゃっ!?、喋った?」
まだ柱だと思ってやがる。
俺「…そりゃあ喋るだろう、人間だから。」
女生徒「へっ?人?人間なの?」
……どこまで失礼なんだ。
女生徒「嘘?何で分からなかったの?いつもなら……」
何をブツブツ言ってんだ?
目が見えない奴は皆こうなのか?
女生徒「あっ、そんな事より謝らなくちゃ。」
女生徒「スイマセン、いきなり棒で突いたりして…。」
俺「目が見えないのは分かるけど人か柱かぐらい分かるだろ。
盲目の奴は皆そうなのか?」
別に怒っている訳じゃ無かったが散々言われた分、少しイヤミ混じりに言ってしまった。
すると女生徒が困った風に
女生徒「他の人は分かりませんが私はいつもなら分かるはずなのに…。」
俺「いつもならって…」
じゃあ何でさっき俺の事を柱と勘違いしたんだ?
女生徒「あっ、それより私、職員室に行かなきゃいけないんでした。
すっかり忘れてました、
それでは失礼します。」
そのまま女生徒は階段を上がっていった。